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ハネケ の 「 ピアニスト 」 (La Pianiste (2001)) を観て

10年も前の映画をやっと観た。気になっていたので観てスッキリ。

ここ10年で観た作品の中でも特に印象に残る作品の1つになった。
主人公の女性の人間描写がとても興味深い。
程度、内容の差はあってもこんな人って結構いるような気がするのは
私だけだろうか・・・。

家庭内で抑圧された結果として作られた人格が存在する。
家の外でも基本的にはその人格のままである。
地味な外見、力強くて素早い動き、圧倒的なプライドの高さ、
相手の気持ちを顧みない言動…
あたかもアクセルを強めに踏み込みながら他の車を掻き分け進み続ける車のようだ。

面白いのは、主人公がフツウの状態からシームレスに特異な性癖に走ってしまうところだ。
何のためらいもなく、瞬時にスイッチが切り替わったかのように「裏の行為」に入ってしまう。
ただその行為もある瞬間に急に終わりを迎える。普段の人格が
ついつい出てしまったもう一人の自分を慌てて抑え込むような感じだ。
でも明確な転換ではない。常にモヤモヤしている。ハネケの狙いがよく出ている。
うまく説明できないが、とにかく観ていて痛々しい。
アクセルを踏み続けた後で今度は急ブレーキをかけまくるような感じで
まったくもってぎこちない。主演女優の演技も素晴らしいが、
これを作り込んだハネケの力量に感心する。

ヴィデオで性行為を学んでいるから、知識だけは入っている。
真似事はできるが未熟さ故に相手に怒られる。
(不器用かつ熱が入りすぎちゃっていたみたい(笑))
でもその後行為を止めて相手を寸止め状態にしてしまう。
決して謝ることなんてない。

この作品をAVまがいの作品であると書いているネットの記事を読んだことがあるが、
とんでもない。
AVは行為そのものを見せるがこの作品では行為をストレートに写すシーンなんて一か所もない。
でも何が行われているのかがはっきりと分かる。その分セリフが妙にソソる。
単なるポルノに陥れていないハネケのセンスの良さが光る作りだと思う。
おっと、「白いリボン」(Das weiße Band (2009)) のHなシーンも思い出してしまった…。

気弱な学生のポケットに割れたガラスを入れたりするシーンは、ハネケの作品らしい。
主人公を圧倒的に突っ走らせる。そこには慈悲も何もない。
その行為がある程度のスピード感を伴って淡々と描かれる。
ファニーゲーム(Funny Games(1997) )のような感じ???

ラストも印象深い。自分に告ってきた学生に自分の本性を伝えて心境の変化が
見え始めたのもつかの間、最後は犯されてしまう。その後ナイフを持って出かけるが
最後は自傷行為へと走る。
ラストの数十分間の描写は、もっと時間をかけてじっくりと作って欲しかった感もあるが、
ここも本音とプライド、様々な心理が激しく交錯する印象的なシーンだ。
そしてこのあたりをどう解釈するのかは観客に委ねられる。ハネケ作品の定番だ。

ハリウッド映画のような娯楽色の強い作品を映画だと思っている方は
この作品を観るべきではない。タイトルから単なる音楽映画だと思ってみると
痛い目に会うであろう。アベックでも見てはいけない。多分男子がフラれると思う。
でも自分的には、この作品を観た後じっくりと語り合えるような女性に巡り合いたいとも思う。
後味の悪い、でも色んなことを考えさせられる秀作だと思う。

他の作品と同様に音楽がないのが良い。劇中に出てくるピアノのレッスンの
シーンなんかで流れる音楽のみ。
映像が劇中音楽の為に変に色づくことがない。とても共感できる作りだ。
さすがです、ハネケさま。


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イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル 他

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プロフィール

 二代目松四郎

Author: 二代目松四郎


「カメラと動画(+スチル写真)」
「音響と音楽」
「プログラミング」
を主なテーマに活動しています。
映画館と美術館と音楽ホールと
古い街並みが私の学校。

宮城県仙台市在住。

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